Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
余は厳重な言葉で「秀子さん命を捨てるの身を隠すのと少しも其の様な事をするに及びません」と云いつつ、秀子が置いて有った彼の毒薬の瓶を手早く取り上げ、自分の衣嚢へ隠して了った、秀子は其れと見たけれど強いて取り返そうともせず、唯何か合点の行かぬ様に考え「オヤ私は――貴方の来る前に何で其の薬を呑まなんだでしょう、貴方の来た時私は何様な事をして居ました」と問うた。
成ほど是だけは余も合点が行かぬ、余の来る前に何故に毒薬を呑まなんだで有ろう、毒薬を呑まぬ者が何故死人同様の有様で茲へ倒れて居ただろう、秀子は漸く思い出したと見え「アア分りました、瓶を取り出したけれど、此の世を去る前に、神に祈り此の身の未来を捧げねば成らぬと思い、長い間祈って居ました、爾して愈々と其の瓶を取り上げた時に、恐ろしい電光が差し込み、此の室まで昼の様に明るく成ったと思いました」如何にも、余が塔の時計の中から、遙の真下に此の室の石段を窺き得たのと同じ時で有ったに違いない。
秀子「其の時限り何うしたのか、私は何事もおぼえませんでした」
扨は其の時電気に感じて忽ち気を失って居た