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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

事はない、再び盆栽室へ退いて、植木の香気に精神を養うて爾して篤と秀子の事を考えて見よう、真に今夜の様な時は、何の様な事件が起ろうも知れぬから咄嗟の間に好い分別の出る様に余ほど心を爽かにして置かねば成らぬ。

此の様に思って再び盆栽室へ這入り、植木などの最も沢山に茂って居る所へ腰を卸し、悠たりと休んで居た、スルト余が右手に在る大窓から絹服の音が聞こえ、其の後に紳士の靴音が続いて忍びやかに這入って来た、之は確かに舞踏室から庭へ出て庭から茲へ廻って来たので有る、女は誰、男は誰、室の内は明るいけれど物に隔てられて余の所からは見えぬ、先からも余を見る事は出来ぬ筈だ、余は人の密話を偸み聴くは好まぬから密と立ち去り度く思ったけれど、既に遅い、男女は早や余と一間とは離れぬ所へ腰を卸し「本統に権田さん何うしたら好いでしょう、私は最う運のつきだと思いますよ」と云うのは確かに秀子だ、余は全身の血が頭へ突き上る様に覚えた、全く秀子は彼の弁護士の権田時介に身の振り方を相談する為に連れ立って茲へ来たのだ、権田、権田、彼が秀子の身に差し図する権利が有るとは先刻秀子が明らかに余に告げた