Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.482 Zeichen · 160 Bildschirme
――ふーむ
これは去勢された猫なのであった。自分は椅子の周りをうろついて居る胡麻塩猫を眺めなおした。男の跫音をこわがると云うのなど猫の中性らしい。そう云えばこの猫は、この間窓枠から自分が追った時、床までとぶのにドタンと鈍重な、甚だ猫らしくない重量的響きを立てた。
自分は去勢された猫は珍らしいと思った。
○自分の裡に何かでかいものが育ちつつある。自分の中に育って居るものは何か大きなものだ。だから自分は今のところ悧口でなくて、重くて、のそのそして居る。だが、感じる自分の中に育って居るものは小さいものではない。
○深く感じる。どんなよき頭と心をもっても理屈では時代を超すことは出来ないのだ。高山樗牛が「吾人は須く現代を超越すべし」と平気で云って居るのも、彼の時代の中学生的雰囲気をよくあらわして居る。
我々の子が我々より賢いであろうことは、我々が親より賢いのと同じに当然だ。理論に於て一九二九年三月、二〇〇〇年代に改訂されぬものを持つことは絶対にあり得ないのだ。ただ改訂されるべきものの中から活きてのこる或髄がある。つまり思索の生殖細胞がある。それは何か。
引証型