Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.953 Zeichen · 124 Bildschirme
説教が始り、少し四辺が静になる。黒い衣をたくしあげ、白い着物に赧顔を光らせた四十五六の髪の薄い凡下な骨相の男が、一寸頭を左に曲げ、言葉と言葉との間をわざと区切らせ、唇を一寸とがらせ、坊主よりも講釈師と云う風体で何か喋って居る。忽ち、すむと、吊してあった二つの大提灯に火が入る。此方の隅で、お前から始めろ、いやお前からと、皮切りをためらって居る男達がある。と五六人が、声を合わせて、何かうたい乍ら、背を丸め、はげしく体をふり、小さい輪を始めた。段々人が殖える。踊が始る。――が、此方のは、太鼓も使わず、歌の歌いかたも、安積辺とはゆっくりして居る、つまり柔かいのだ。
一例
「おどりおどるならいえー、しなよく願おう。御見物衆なら、静にーねがおう。(あ、あやあすけどっこい、どっこいな)がっちゃがっちゃかっちゃかっちゃ、何が何だか分らない(ああなんまいだ、なんまいだあ)」
との如し。
黒と小さいかの子四角の浴衣着、可愛い銀杏返しに白い羽根の簪をさした若い女が二人目に立った。
月のかげになると、重く、黒く、もぞもぞと動き、月の光の中に浮ぶと、急に精がついたように、軽くぼんやりとすき透るように踊る。