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Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

僕はそれをどうすることも出来なかったのです。それ位のことが分らないなんて、僕は何という愚者だったのでしょう。恋に目がくらんだのです。実際魔がさしたのです」

河野にこうした弱々しい反面があろうとは、実に意外でした。湖畔亭での河野と、今の彼と、何という相違でしょう。妙なことですが、この河野の弱点を知ると、私は以前よりも一層、彼に好意を感じないではいられませんでした。

「では君が殺したのですね」

私は茶話でもしている調子で、なるべく相手の心を痛めない様に問いかけました。

「エエ、僕が殺したも同然です」

「同然というと」私は思わず不審を打ちました。

「僕が直接手をかけて殺した訳ではないのです」

少し話が分らなくなって来ました。彼の手で殺したのでないとすると、あの鏡に映った男の手は、一体全体誰のものであったのでしょう。

「じゃ直接の下手人は」

「下手人なんてありません。あいつは自分自身の過失で死んだのですから」

「過失といって……」ふと私は飛んでもない間違いに気づきました。「ああ、君は三造のことをいっているのですか」

「無論そうです」

その明瞭な返事を聞くと、私の頭は却て混乱して来ました。