Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
殺人の行われた時間をいわないで、ただ何か物音がしなかったかと聞いている。それでは答えの仕様もない訳だ。もし時間さえハッキリ示し得たならば、この男は、もっと別な答えをすることが出来るのではないだろうか」
そこで、私は思い切って、三造にだけ時間の秘密を打ちあけて見ることにしました。
「人殺しがあったのは、一昨日の夜の十時半頃ではないかと思うのだよ」私は声を低めていいました。「というのはね、丁度その頃、僕は湯殿の方で変な叫声の様なものを聞いたのだよ。君は気がつかなかったかい」
「ヘエ、十時半頃」すると三造は何か思い当った様に、いくらか、表情をハッキリさせて、「十時半といえば、ああそうかも知れない。旦那、丁度その時分、私は湯殿にいなかったでございますよ。台所の方で夜食を頂いておりましたですよ」
聞けば、彼は仕事の性質上、就寝時間が遅くなるので、従って食事も他の雇人達よりは、ずっとおくれて、泊り客の入浴が一順すんだ頃を見はからって、とることになっているのだそうです。
「しかし、食事といったって、大した時間でもあるまいが、その僅の間に、あれだけの兇行を演じることが出来るだろうかね。