Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

もし君が注意していたなら、食事の前かあとかに、何か物音を聞いているはずだよ」

「ヘエ、それが一向に」

「じゃね、君が台所へ行くすぐ前か、台所から帰ったあとかに、湯の中に人のいる様な気はいはなかったかい」

「ヘエ、そういえば、台所から帰った時に、誰か入っている様でございましたよ」

「覗いて見なかったのだね」

「ヘエ」

「で、それはいつ頃だったろう、十時半頃ではないかね」

「よくは分りませんですが、十時半よりはおそくだと思います」

「どんな音がしていたの、湯を流す様な音だったの」

「ヘエ、馬鹿に湯を使っている様でございました。あんなにふんだんに湯を流すのは、うちの旦那の外にはありませんです」

「じゃその時のはここの旦那だったのかい」

「ヘエ、どうも、そうでもない様で」

「そうでもないって、それがどうして分ったの」

「咳払いの音が、どうも旦那らしくなかったので」

「じゃ、その声は君の知らない人のだったの」

「ヘエ、いいえ、何だか河野の旦那の声の様に思いましたですが」

「エ、河野って、あの二十六番の部屋の河野さんかい」

「ヘエ」

「それは君、本当かい。大事な事だよ。確に河野さんの声だったのかい」