Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
が、そうかといって、この好奇的な事件を見捨て、宿を出発するのも残念だものですから、もう少し待てという河野の言葉を当てにして、やっぱり逗留を続けていました。
一方警察の方では、先にもいった、大仕掛けなトランク捜索の仕事を初め、森の中、湖水の岸と洩れなく探し廻ったのですが、結局何の得る所もない様子でした。そんな無駄な手数をかけさせるまでもなく、ただ一こと、例の時間の錯誤について申出ればよかったのかも知れませんが、河野が「死体の捜索にもなることだから、止めるにも及ぶまい」というので、私もその気になって、警察に対してはあくまで秘密を保っていた訳です。
私は機会がある毎に宿の主人の様子に注意するのと、河野の部屋を訪ねるのを日課の様にしていました。しかし主人の挙動にはこれといって疑うべき所もなく、河野は多くの場合留守なのです。何とも待ち遠しく、退屈な数日でした。
その晩も、どうせ又いないのだろうと高を括って、河野の部屋の襖を開いたのですが、案外にも、そこには主人公の河野ばかりでなく、村の駐在所の巡査の顔も見え、何か熱心に話し込んでいる様子でした。
「アア、丁度いい所です。