Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
お入りなさい」
私がモジモジしているのを見ると、河野は如才なく声をかけました。私は普通なら遠慮すべき所を、どうやら事件に関する話しらしいので、好奇心を圧え難く、いわれるままに部屋の中へ入りました。
「僕の親しくしている人です。大丈夫な人ですから、どうかお話しを続けて下さい」
河野は私を紹介しながらいいました。
「今もいう様に、この湖水の向うの村から来た男の話なのですよ」巡査は語りつづけました。「私はここへ来る途中、偶然そこを通り合せて、村の人達と話しているのを聞いたのですがね。何でもこの二日ばかり前の真夜中時分だということです。妙な匂がしたのだ相です。気がついたのは、その男ばかりでなく、同じ村に沢山あったといいます。何の匂といって、それが火葬場の匂なんです。この辺には火葬場なんてないのですからね。どうもおかしいのですよ」
「人間の焼ける匂なんですね」
河野は非常に興味を起したらしく、目をかがやかして問い返しました。
「そうです。人間の焼ける匂です。あの変な何ともいえない臭い匂ですね。それを聞きますと、私はふと今度の殺人事件のことを思い浮べたのです。丁度死体が紛失して困っている際ですからね。