Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
ウム、くせになるから、いちばん胆ッ玉のでんぐり返るほど、おどかしてやれ」
じぶんも蛾次郎あいてに、かけごとをしていたことなどは棚へあげて、不平づらをとンがらかした燕作、いきなり庭先のやみへバラッとおどり立ち、声と両手をめちゃくちゃにふりあげて、
「一大事、一大事! 酒宴どころじゃない、一大事がおこったぞ」
取次ぎもなく、ふいにどなられたので、呂宋兵衛は、杯をおとして顔色をかえた。かれのみか、丹羽昌仙、蚕婆、穴山の残党足助、佐分利の二名、そのほかなみいる野武士たちまで、みな総立ちとなり、あさましや、歓楽の席は、ただ一声で乱脈となった。
「おお、そちは番小屋の燕作、さてはなんぞ、伊那丸がたの間諜でも、立ちまわってきたと申すか」
「あ、昌仙さまでございましたか、間諜どころか、武田伊那丸じしんが、一千あまりの軍勢を狩りたて、この法師野へおそってくるようすです」
「ウーム、さすがは伊那丸、もうこの隠れ里をさぐりつけてまいったか。よもやまだ四、五日は大丈夫と、たかをくくっていたのが、この昌仙のあやまり、ああ、こりゃどうしたものか……」
丹羽昌仙は、ためいきついて、つぶやいたが、急に、ヒラリと庭さきへでて、じッと、十方の天界をみつめだした。