Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

かべに足がかりのようなものは、何もない。そこをきみは、まっさかさまに、はいおりた。世間では、その話を聞いて、きみが人間いじょうの魔力を持っているように、うわさしたが、これがやっぱり手品だった。きみは、ゴムの吸盤をつかったね。」

「フーン、そこまで気づいていたのか。」

魔法博士は、おどろいたように、明智の顔を見ました。

『ゴムの吸盤』というのは、こういうわけです。西洋の手品師は、ハエなんかが平気で天井をはっているのを見て、人間にもそのまねができないだろうかと考えたのです。そして、発明したのが、さしわたし二十センチもあるおわんのような、大きなゴム製の吸盤でした。ハエの足には小さな吸盤があって、さかさに歩いてもおちないのだから、人間も、そのおわんのようなゴムを手足につけて、天井にすいつきながら、歩くことができるだろうと考えたのです。そして、それを見物の前でやって見せた手品師もあります。しかし、ハエのように、すばやくは動けません。たださかさまになって、ソロリソロリと歩くだけで、たいしておもしろくもないので、あまりはやらないでおわりましたが、魔法博士はそれをまねて、おわんのような大きな吸盤を四つ作って、両手と、両方のひざにとりつけて、塔のかべをはいおりたのです。