Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
「それから、神社のコマイヌだったね。きみはあの日、天野君をゆうかいするまえに、二つならんでいる一方のコマイヌを、あらかじめ社殿の中にはこび入れて、とびらをしめておいた。そして、塔から逃げだしたあとで、森の中にかくしてあった石のコマイヌとそっくりの衣装を、頭からかぶって、石の台の上にチョコンとすわっていた。あの大きな頭の部分も、はりこかなんかで、石のコマイヌとそっくりにこしらえておいたんだね。うすぐらい夕方の森の中だから、警官たちは、きみの前をとおりながら、すこしも気づかなかった。いつもそこにすわっているコマイヌの一方だけが、にせものだなんて、だれも考えないからね。」
「うまい。うまい。そのとおりだよ。きみは、まるで見ていたようだね。」
魔法博士はすこしも、まいったようすがありません。そういう手品の種を、明智探偵が知っていることを博士のほうでは百もしょうちだ、と言わぬばかりです。
それにしても、なんというふしぎなありさまでしょう。ふたりは、うらみかさなるかたきどうしではありませんか。それがまるで、なかのよい友だちのように、のんきに話しあっているのです。