Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
ゾッとするような笑い声です。
ぼくが立ちどまっていると、そいつの影が、ぼくの正面にまわりました。つまり、影と影とが向きあったのです。そして、あいての影は、いきなり両手をひろげて、ぼくの影につかみかかってきました。いや、影ばかりではありません。ぼくのからだに、目に見えない手が、さわったのです。
じつにいやーな気持ちでした。ぼくはゾッとして、飛びのきました。そして、目に見えないやつを、力いっぱい、つきとばしておいて、死にものぐるいで、逃げだしたのです。もう、むがむちゅうでした。二百メートルもはしりつづけて、人通りの多い町までくると、やっと、ぼくの影は一つだけになりました。目に見えないやつは、どっかへ行ってしまったのです。
空気男は、ぼくをにくんでいるんですよ。しかし、いたずらをするだけです。ピストルや短刀は持っていないようです。きみが悪いけれど、どこかあいきょうのあるやつです。島田君にも、いたずらをしているだけかもしれませんよ。」
「そうだといいんですが、どうも、それだけじゃなさそうです。」
島田君のおとうさんは、心配らしく、声をひくめて言いました。
「すると、何か心あたりがあるんですか。