Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
博士はいつも糸のようにほそい目をしていたからです、生まれつき、ほそい目だと思いこんでいたからです。それが、いまはカッと見ひらかれて、まんまるに見えるではありませんか。べっこうぶちの大きなメガネの玉の中が、目でいっぱいになっているのです。
催眠術をかけるときには、人間の目は、あんなおそろしい形になるのでしょうか。世間には、目の大きい人がたくさんあります。しかし、いまの博士の目は、ただ大きいだけではありません。なんだか人間の目とは思われないような、ふしぎな光をはなっているのです。
猛獣の目です。猛獣が、いまにもえものに飛びかかろうとするときの、あの身の毛もよだつ目のいろです。
小林君は、思わずイスから立ちあがろうとしました。そして、いきなり、舞台にかけあがって、「この奇術はよしてください!」とさけびたいほどに思いました。
ところが、小林君がそう思ったときには、博士の目は、いつのまにか、もとのようにほそくなっていました。猛獣の目はどこかへ消えてしまって、いつものやさしいほそい目にかわっていました。
「それじゃあ、いまのは気のせいだったのかしら。メガネの玉が光って、あんなふうに見えたのかしら。