Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
勇一君は、ニッコリしながら、しきりにうなずいています。博士は、これからやる奇術の種を、そっと教えたのかもしれません。
見物席の少年たちは、いったいどんなことがはじまるのかと、目を皿のようにして、舞台を見つめています。
魔法博士は寝台の横に立って、正面を向くと、見物席に向かって、また、うやうやしく一礼しました。
「さて、いよいよこれから、空中浮遊術という大魔術をお目にかける。ここに寝ている天野勇一少年のからだが、わたしの魔法によって、空気よりもかるくなる。そして、ふわふわと宙に浮きあがるのです。たのしい空中旅行をやるのです。だが、それだけではない。もっとおもしろいことがおこる。みなさんが、アッと言ったまま、口がふさがらないような、とほうもないことがおこるのです。では、これからはじめますよ。」
口上をおわると、魔法博士は寝台から二メートルほどはなれたところに立って、寝ている勇一君の顔を、ジーッと見つめました。まるで催眠術でもかけるように、いつまでもにらみつけているのです。
見物席の前列にいた小林少年は、博士の目が、まんまるになったのを見て、ギョッとしました。