Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
見ると、むこうのくらやみの中に、怪物の目玉のような懐中電灯が光っています。それはふたりの制服巡査でした。このふきんの警戒にあたっていた巡査が、今の呼びこを聞きつけて、道化師のゆくてに立ちふさがってくれたのです。
「しめたッ!」刑事は心にさけびながら、いきなり道化師に近づくと、柔道の手で、みごとに、パッと、あいてを地面に投げたおし、その上から、馬のりになってしまいました。
「きさま、透明怪人だな、こんどこそ、もう逃がさないぞ。」
そして、道化師のろう仮面を、はがそうと、顔に手をかけたのですが、それはお面ではなくて、ほんとうの人間の顔であることがわかりました。
「おや、それじゃ、きさま、透明人間じゃなかったのか。」
「そんなもんじゃありません。チンドン屋の紅丸っていうものです。人ちがいです。わたしゃ、何も悪いことはしません。はなしてください……。」
くみしかれた道化師は、泣き声をたてて、わめきました。
「それじゃ、この夜ふけに、どうしてあんなところに立っていたんだ。」
「たのまれたんです。」
「たのまれた? だれに、何をたのまれたんだ。」
「だれかわかりません。三時間ほどまえ、道で行きあった紳士です。