Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
五千円札をくれました。そして、さっきのうちの、塀のそとに立っていろ。そこへおまわりさんが来るが、塀の中から人が出てきたら、いちもくさんに逃げだせというんです。それで五千円なら、うまい話だから、しょうちしたんです。」
懐中電灯でよく見ると、このチンドン屋は、いかにもまぬけな顔をしていました。五千円に目がくらんで、こんなつまらない役目をひきうけたというのも、まんざらうそではなさそうです。
しかし、もしこの男の言うのが、ほんとうだとすると、その紳士は、なんのために、そんなことをたのんだのでしょう。刑事は首をかしげました。
「ともかく、中村係長のところへ、ひっぱっていくことにしようじゃないか。これには、何かわけがありそうだぜ。」
あとからやってきた、もうひとりの刑事が、道化師に馬のりになっている刑事の耳に、ささやきました。
そこで、さきの刑事は、やっと立ちあがって、チンドン屋をおこしてやり、その手くびを、かたくにぎったまま、グングンと、もと来たほうへ、ひっかえしました。もうひとりの刑事とふたりの警官も、そのあとにしたがいます。
三百メートルあまり、もどって、探偵事務所の裏口に近づきますと、そこに黒川記者がまちうけていました。