Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
パリの労働者が労働者地区でだけ示威行進をしているというのも伸子にはわけがわからないことだった。それやこれやをみんな自分にわからせて、それからロンドンへ、と伸子は爪先に力のこもった状態だった。
素子の方は、大学の新学期がはじまるまえに、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰ろうと考えはじめている。ロンドンへ行って見たって同じことだ、と伸子を家族の間にのこして、自分だけモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ引かえそうとしている。いつまで、佐々の家族旅行にまきこまれるような形でいたって、というのが素子の心もちだった。伸子は自分の事情が、素子をそういう気分にさせていることに責任のようなものを感じ、ロンドンの街だけでも素子が見ておいた方がいいと主張するのだった。
「わたしは、あなたの姉さんみたいに、どこにいても何かが仕事の役に立つ、というようないい身分じゃないんでね。もう、こっちにだって、いすぎたぐらいのもんですよ」
素子は、食後のタバコをくゆらしながら和一郎に云った。
「もう、ぐずぐずしちゃいられない」
「どうして? まだ八月にはいったばかりよ」