Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
のある自分たちの心もちに翻訳して、蜂谷の当惑を同情した。
「タクシーで行っちゃ駄目ですか」
「遠すぎてね。パリのタクシーは、市内はやすいが、一歩郊外へ出るとメーターが倍ずつまわるから、とてもやりきれたもんじゃない」
「そんなくらいなら、わたしたちのいるガリックへ来て泊った方がよっぽどやす上りだ。――そうしちゃどうです。どんな部屋だって一晩ぐらい、かまわないんでしょう?」
三人は、こんどはゆっくりヴォージラールの通りを逆もどりしてホテル・ガリックのドアをはいった。ここでもカフェーの方はまだあいている。帳場で蜂谷が部屋の交渉をはじめた。
「部屋はないんだそうだ」
「部屋がない?」
そんなはずがあるもんかというおもざしで、素子が番頭を見た。頭のうすく禿げた番頭は、クリーム色のシャツの前に緑色のネクタイをたらして、とがめるように彼を見る素子に向って、両手を左右にひらいて肩をすくめてみせた。
「いくらかほしいんじゃない?」
伸子がその様子を見て素子にささやいた。
蜂谷は、帳場にもたれるようにして、
「アロール・ムシュウ」
と、また新しく談判をはじめた。
「うそじゃないらしいなあ、きょうは土曜日だから、っていうんだ」