Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

大きい船にのって、またひろい海へ出て、港から港へとゆるやかにうつる景色をたのしみながら日本へ帰るということが、つや子のたのしみらしかった。長椅子の上にずらりと並べられている船づくしのエハガキをわきからのぞく姉の伸子に、つや子はおかっぱの頭をすりつけながら、

「このひと、ほんとに船すき」

目をエハガキからはなさないで云ったりした。

ロンドンにのこった和一郎からは、小枝とよせ書のエハガキが来た。ロンドンの秋のシーズンがはじまります。この土曜日にクィーンス・ホールでシーズンあけの音楽会がありますが、エスモンド街にいながらにしてそれが聴けるのは幸です。ミセス・ステッソンもおかげで今年は冬がたのしみだと大満足です。そんな文面がいかにも一日のうちに、ひまな時間をたっぷりもっている人らしい和一郎の念の入った装飾的な文字でかかれて来た。

そういう和一郎のたよりには、用心ぶかさがあった。少くとも、伸子にはそう感じられた。ロンドンとパリに離れていても、絶えず若夫婦の贅沢や浪費を警戒している多計代に対してよこすたよりには、和一郎たちも、むしろ彼らの生活の消極面から書いている。