Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「――ここ、あんまりせまくて」

「それもいいが――」

ドアに鍵をかける伸子の手もとを見ていて、蜂谷良作は、

「どうせ出るんなら、モンソーでも歩きませんか。あすこは秋のいい公園なんだ。去年もつたが赤くなりはじめた時分、なかなかよかったですよ」

ペレールへ戻るのも気のすすまない様子らしかった。伸子は蜂谷とつれだってホテルを出かけ、ペレールへ行くとは反対のブルヴァールを横切って、モンソー公園へはいって行った。

セイヌ河のむこうにあるリュクサンブールの公園が、大学やラテン・クォーターに近くて、広い公園の隅々まですべての人のために開放されて、詩趣がただよっているのにくらべると、モンソー公園は、そこへ来る人々は身なりもきまっているというような、細工のこまかい庭園の味だった。優雅でメランコリックな情趣をつくり出す樹木の配置。岩の置きかた。その美しさは、どの部分をとっても、そのままでオペラの背景になる美しさだった。伸子は、その美しさを人工的すぎると感じた。

「僕のいるところがあんまりあけっぱなしの田舎だもんだから、たまにこんなところを歩くと、気がかわる」

蜂谷は、晴れた秋日和を気もちよさそうに、帽子をぬいだまま歩いた。