Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「さもなければ、『プラウダ』一枚で、ああ完全に支配しきれるものではない」
「おかしなかた!」
そのとき、二人が話していたチャーリング・クロスのカフェー・ライオンのテーブルの前で伸子はほんとにおこった顔と声になった。
「あなたのおっしゃることは、あんまり根拠がないわ。誰が、ソヴェト同盟を『プラウダ』一枚で動かしているでしょう。あすこの人たちには、自分たちで新しい暮しかたをやってゆく方法がわかったのよ。あなたが、その事実を見ようとしないなんて――」
うそだわ、と言おうとしてちょっとためらった伸子を、利根亮輔は黒い怜悧さで輝いている眼で見つめながら、うながした。
「それで?――見ようとしないなんて?――」
いくらか礼儀にかなう表現にかえて伸子は、
「知的怯懦だと思うんです」
と云った。
「――なるほど……」
やがて、利根亮輔は、さも面白そうに笑った。
「ハハハハ。伸子さんは実に愉快な精神の原形をもっていられる。知的怯懦ねえ。――しかしね、伸子さん、あなたレオナルド・ダ・ヴィンチに懐疑がなかったと思えますか? 叡智はいつも懐疑から出発するんです」
伸子は、
「もうおやめにしましょうよ」