Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうしたっていうんでしょう!」

若い画家である磯崎恭介と、やはり画を描く若い妻の須美子は、伸子の友人であるよりも、素子の古い知り合いだった。パリへ来たとき、素子と伸子が心あてにしたのは、この二人であった。ヴォージラールのホテルへ移り、佐々の一行がパリへ来るまで伸子たちは、磯崎夫妻にいろいろ世話になった。佐々のものがマルセーユに着くほんのすこし前、磯崎は、サンジェルマンの方へ里子にあずけておいた上の男の子に死なれた。その葬式がペイラシェーズで行われたとき、伸子はいたましい思いにつつまれて、喪服姿の須美子の介添えをしたのに。――

ロンドンから帰って伸子が磯崎の住居をたずねたのは、たった一週間ばかり前のことだった。そのときの恭介には病気らしいところはどこにもなかった。

サロン・ドオトンヌに出す制作がもうすこしで終るところだと云って、むしろいつもより活気づいて張りきっていた。伸子のところへ、電報をよこした磯崎の妻の須美子の言葉かずのすくない美しい様子と、ひよわい白い蝶々のような子供の姿を思うと、伸子は、とても、そのままあしたの朝まで待てなかった。

「お父様達、かまわずあがっていらして下さい。