Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
わたしにそれがわかるようでした。それから、須美子さんがのこった妻として、また悲しい雑事のなかに覚醒することを余儀なくされて、そのとき、それがどんなに彼女にとってむずかしいことだったかも。須美子さんは、でも、ほんとに立派に、苦しいこれらの瞬間をとおりました。
『骨の町』の柱廊のはじへ雨がふきこんで、あすこは濡れていました。子供のお骨のしまってあるとなりの仕切りに、恭介さんのお骨がしまわれて、その鍵が、須美子さんの手のなかにおかれたとき、わたしの脚がふるえました。一人の若い女が、外国で、こういう鍵を二つ持たなければならないということは、何たることでしょう。
須美子さんはたいへん独特よ。この不幸を充実した悲しみそのもので耐えている姿は、高貴に近い感じです。あのひとには、何てしずかな勁い力があるのでしょう。わたしの方が、まごついたり、当惑したり、よっぽどじたばたです。きのうデュトへ行ったら、須美子さんは、わたくし帰ることにきめました、と、いつものあの声で云いました。須美子さんが日本へ帰るということは、片方の腕に生きている赤ちゃんを抱き、もう一つの腕に二つの御骨をもってかえるということなのよ。