Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「――もしお母さまが相談したら、お姉さま、どこか別のところを考えてよ、ね?」
「わたしは、はじめっから尼さん学校は賛成じゃなかったんだもの」
「あんなところへまた行くんなら、このひと、不良少女になっちゃう」
不良少女というものを、つや子は晩熟な女の子らしく、わるい女の子というほどの内容で云っているのだったが、それをいうとき、つや子の、がっしりと四角い顎をもっているきつい顔の上に、旅券に貼ってある小型写真にうつっているような、けわしく、暗い、一途な表情があらわれた。
休日らしい暮しがつづいたのは、二日か三日のことであった。
マダム・ラゴンデールの授業をうけにホテルへ戻っていた伸子がかえって来ると、ひとりで留守をしていたつや子が、
「こまっちゃった!」
伸子の前へ来て立った。
「どうしたの」
「マダム・ルセールったら、洗濯にやってくれって、はっきり云ってたのんでたのに、メルシ、メルシってこのひとのスリップをもって帰っちゃった」
「どんなスリップ?」
「いちばん御秘蔵の」
うすいピンクのクレープに、幅のひろいきれいなレースつきというものだった。
「このひと、ちゃんと字引きひいて、云ったのに――」