Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
素子からの手紙で、思いがけないことをはじめて知った伸子は、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で母親をそんな度はずれに行動させたひそかな動機は何なのだったのだろうと、考えこまずにいられないのだった。
伸子はくりかえしてはじめから素子の手紙へ目をとおした。つや子にことづけてやったお土産袋を、素子はうけとっているのだろうか。半ペラの原稿紙五枚に、こまかくつまっている素子の手紙のどの行にも、伸子が自分で縫って金色のリボンでくちをしめたお土産ぶくろについては書かれていなかった。
七
四、五日たった日の午前も、もうおそい時間のことだった。日仏銀行の表口から伸子が蜂谷良作とつれだって人通りのはげしいカンボン街へ出て来た。
伸子のハンド・バッグにはたったいま、九十九円七十五銭という小切手をフランにかえたばかりの現金がはいっている。マデレーヌの広場へ向う歩道のはずれに立って、自動車の流れをつっきろうとしているひとかたまりの男女にまじりこみながら、伸子は蜂谷良作に、
「おひるは、わたしが御馳走いたします」
と云った。
「でも、すこし風変りなのよ、日本のお金で七十五銭だけの御飯をたべるの、それでもよくて?」