Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
た」
何とおそろしく四角ばった云いまわしだろう!
「ロビンソンと彼自身の手で造り出された富を構成する諸物件との間における一切の関係はこの場合きわめて単純明瞭である」
伸子の理解の段階にあえて必要でない引用の固有名詞をとばして、蜂谷良作はつづける。
「しかも価値決定の上のあらゆる本質的要素は、この関係の中にふくまれているのである。今、ロビンソンの明るい島から陰暗な中世ヨーロッパに目を転じよう。ここには独立した人間はいないで――」
伸子はノートから頭をあげた。
「ちょっと――ごめんなさい。ロビンソンはそれでおしまい? いきなり中世ヨーロッパとなるのかしら」
中断されて、蜂谷は手にもっているテキストへ視線をおとし、伸子を見ずに答える。
「それでいいんだ」
「『金曜日』は出て来ないの?」
伸子は、こちらを見ようとしない蜂谷の顔を見て訊いている。
「価値の原形を分析しているこの部分は、フライデーの出現からきりはなして扱われているんだ」
視線をさけ、まじめな表情で答えている蜂谷の顔に向って、突然伸子の感覚がかきたてられた。その唇にひきつけられて。――だが、蜂谷は心づかない。