Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
これまでウォール街で働かせられていたヨーロッパの金が、大量に逆流して、ヨーロッパへ戻って来つつあった。ヨーロッパでアメリカの資本輸出とはりあうことのできるのはイギリスとフランスだけであることが明瞭だった。ベルネの一家は恐慌の打撃にたえたフランスの手堅さに満足して、食卓で息子のジャックをはげましながら洗濯工場の燃料泥棒をつかまえなければならないことについて相談している。
伸子の生活は、ベルネのおばあさんやアルベール夫婦にとって興味をひく特別の何もないようだった。ヴェルダンから伸子がおみやげに買ってかえった記念スプーンを、
「――銀ですよ!」
おばあさんが目顔でうなずいて、
「御親切にね」
とあらためて伸子に礼を云いながら、娘であるベルネの細君にわたし、細君はそれをベルネの主人にまわして一同が見たほかには。
だがそんなベルネの一家のなかで、十六歳のフランシーヌのそぶりは、伸子に何かを感じさせた。
伸子はある午後、クラマールに住んでいる画家の柴垣とモンパルナスの美術書籍の店と、いくつかの画廊を見に行く約束をしていた。その店にマチスのデッサン集があった。そのデッサン集を伸子は見飽かなかった。