Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
一ヵ月もひとに無駄な手紙をかかせるひとだということがやっとわかった。もうぶこがモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰って来ることなんかちっともあてにしていない。全く帰って来なくなったっていい。――きみというひとは、どっちみち、自分のしたいようにしかしない人なんだから、わたしがここからこんな風に云うのさえ、云わば滑稽なことだろうがね。
――一ヵ月も無駄な手紙をかかせた、と素子は云って来ているけれども、それはどういうことなのだろう。伸子は、自分が素子のよこしたどの手紙かに返事をしなかったことでもあったろうか。素子のどんな手紙やハガキに対しても、必ずこたえて来ていたという確信が伸子にある。佐々の家のものがモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)経由で先へ帰ってから、パリにのこった伸子の滞在は、クラマールへ移ったりして長びいてはいるけれども、それだって、素子に無断でずるずるのばしにしているのではなかった。ベルネの家へ引越したとき、あらましの予定は伸子から告げてあった。パリには十一月いっぱいぐらい居たいからと。
素子の手紙は、くりかえし伸子の不実をせめた。