Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
子供のおともじゃあるまいし、用もないのに、のこのこ、くっついて行かれるもんかどうか、考えてみればわかるじゃないか」
それはそうだけれども、と伸子は考えるのだった。
「御馳走によばれるのとはちがうんだから、わたしは、かまわないと思うけれど……」
ことの順序として、リュックスに電話し、きょうは素子もいっしょに行くことを、山上元に知らして、承諾を得ればいい。伸子はそれが不可能だと考えなかった。
「ね、そうしていいでしょう? この間のとき、あなたの話もでたのよ、だから……」
「まっぴらだよ。わたしが会いたければ、自分で勝手に行くだけだ」
素子の気分をやわらげようとつとめる自分に、伸子は抵抗を感じた。素子は自分から一度でも山上元に会おうと思ったことがあったのだろうかと。
十四
からりと晴れた、人通りの賑やかなトゥウェルスカヤ通りの角に立ったとき、伸子は思わずベレーをかぶっている頭をふって、深く息を吸いこんだ。
素子の前にひきすえられていたような、ホテルの室での気分は、何と苦しかったろう。外へ出ると、こんなに気持がはればれする。そのことが伸子を悲しくするのだった。
ゆっくりと、しかし確実な目的をもっている者の歩きつきで、伸子はトゥウェルスカヤのゆるやかな傾斜を、上へのぼって行った。