Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

と云った。

「書かせてみたら、こんなもの、じゃ、わるいと思います」

「いや読んだよ」

小さいけれども角ばっていて強情そうな年よりの顎をつき出すようにして、山上は、例の三白眼で伸子を見た。

「何だっけ、――こっちへ来てから、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)のことを書いているのを、何かで読んだよ」

「――『文明』に出ていたんでしょうか」

「そうだ、そうだ。――結構おもしろかったよ」

伸子は、体がぽっとあつくなった。山上がよんだというモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)印象記は、伸子がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来て最初に書いたものだった。あのころから二年以上たって、しかも現在のソヴェト生活にくらべると、伸子の印象記は、ロシアの民族性という興味にひっかかりすぎていた。そして、伸子が現在理解しているよりも一層未熟にしか、階級の問題をとらえていなかった。

しかし、山上は、その印象記については、それをよんだ、という事実以外に、こまかいことは記憶していない風だった。おおまかに、

「あんなのだって、送ってやればいい」

と云った。

「太陽のない街」