Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
ソヴェトじゃ、どんな本だって、少くとも出版されるからには十万が最低だよ」
それは、大きい部数がよまれるのは作家にとってうれしいことに相異なかった。しかし、それにしても、いい作品をかく、ちゃんとした作品が書ける、ということが先決問題であることに疑いない。伸子には、その点が、わからないのだ。そして、話しているあいての山上元が、そういうこまかい実際の点を理解していない――というよりも、国際的な革命家として、そういう面に直接ふれる必要のない生活を送って来ているひとだということが、伸子に切実に迫った。出版される部数の多寡だけに、文学の意味はないと思われる。――
「こうしてはどうでしょう」
こんどは、伸子から提案した。
「一週間たったら、考えをきめた上で御返事に来ます。それでは、どうかしら」
「そうしよう!」
山上元も、このまま問答をつづけているのは、時間のむだだと感じはじめていたらしかった。
「それでいい。じゃあ来週のきょう。いいね。やっぱり三時」
山上からみれば自分はどんなに不決断でまどろっこしい女だろう、と伸子は、きまりわるく思った。
帰りかけようとする伸子を山上が、