Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子は街の景色をすっかり瞳にうつしながら、しかしそのどれをも見ているとは云えない状態で、トゥウェルスカヤ通を下って行った。
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にこの自分が止ることができる。――思いがけず伸子に示された可能性は、リュックスの建物を遠ざかるにつれて、ますますその信じがたい事実で、伸子を圧倒した。山上元を通じて、いつか自分がそのようなものとして見られていたということ。それは、伸子が人生に対して抱いている良心と善意の努力のすべてを、そっくり大きい歴史の前に肯定されたにひとしいことだった。
山上元の立場として、まったく彼ひとりの意見で、伸子にああいう提案がされるとは考えられなかった。愛するソヴェトにとって、自分が役に立つ何者かであり得るという確認は、トゥウェルスカヤを歩いている伸子の心と体とを感動で顫わせた。伸子は、それがわがことと信じきれないほどの感激をもって、その承認の上に身を投げかけて行っているのだった。もうすべては決定したも同然に思える。自分はモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にとどまるのだ。――だが、どうしてだろう。