Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そこで伸子の生活はどんな関係の中におかれるか、それは伸子に何にもわからない。けれども、伸子が、三年の間に何かの成長をとげたことが確実ならば、伸子にとって、これまで知らなかった日本を生きて見ようと願う思いがあるのは真実だった。日本へ帰ることにした、という返事は、山上元をよろこばせないであろう。軽蔑される返事かもしれない。だけれども、伸子は、ほかにどんな答えも見出せなかった。伸子は、そこをはなれる可能を示されたとき、ひとしお深く日本の苦悩に愛着したのだった。もしかしたら自分の挫折があるかもしれないところ。もしかしたら自分がほろぼされてしまうかもしれないところ。しかし、そこに伸子の生活の現実がある。そして、伸子が心を傾けて歌おうと欲する生活の歌がある。
伸子は、きつく両手を握りあわせながら、自分のデスクの前に立ちつくした。伸子は、帰る。けれども、その言葉を声に出していうことはおそろしかった。
資料
第一章
一
いま、伸子はパリの街を歩いている。
素子と。素子のわきには、白い服を着せられたひよわそうな女の児の赤坊を腕の上に抱いて歩いている若い画家とその妻とがひとかたまりになって。