Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
自動車の流れの大きい力強いカーヴ。そこを、鮎のひとむれのように柔かくかたまってすっ、すっとつっきる通行人。鈴懸の若葉の下に動いてやまないその街の光景には引しまったリズムが躍った。
同じような光景は、もっと街上の壮麗さに飾られて凱旋門の周囲にも眺められた。パリを貫く十二の大通りが凱旋門を中心にこの星の広場から放射している。それら十二のブル※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ールから絶えず流れ出して来る自動車の群は、互の環にとけこみながら遠心力のこころよさを味うように凱旋門をぐるっとまわって、やがてそれぞれの街の入口へかかると、大きな円周ではしって来たリズムそのままふっ、ふっ、とそちらの方へ吸いこまれてゆく。伸子は、シャンゼリゼーとエトワールの角に立って、しばしばそのリズムに見とれた。この運動の感覚――正確なリズムと線の伸縮。そこには、音楽があり、舞踏の感覚があった。そしてパリでは、こういう感覚を描き出しているのが鳥打帽をかぶっている人々だということについて、伸子は云いつくされない感銘を与えられるのだった。パリの労働者たちは山高帽をかぶってはいなかった。