Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「磯崎が云いだして、ここのマダムにたのんだことですのに――」
「自分の親なんだもの、磯崎君が、がんばって、よくわからせたらいいじゃありませんか。いわば自分の責任じゃないか」
「そういうときには磯崎も、気の毒なほど、骨を折って居りますわ、何とかわかって頂こうとして――でも、むずかしいものですわね、わたし、ときどき、おそろしくてたまらないようになりますの」
須美子の濃いおかっぱの少女っぽいまんじゅう頭がすらりとした体つきのわりに、しっかりと張っている両肩の間へひっこんだようになった。きれの長い二つの眼は、ますます見ひらかれて、話している相手の素子の顔を見つめながら。
「わたしだけが、どうしてこんなにあちらの御両親から悪く思われていなければならないんでしょう」
若い夫婦がパリへ絵の勉強に来ているという現実が、こんなにもきつく日本の嫁姑の苦しさにしめつけられていると想像するものがあるだろうか。少女っぽいというより、少年ぽく見えるほどすらりとした体つきの須美子が、純潔なきまじめさで、子供が二人もつづけて生れてしまいましたし、というのをきいたとき、伸子の心はつきうごかされて、須美子を胸に抱きしめてやりたいようだった。