Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

夜が更けると、そこで夜を明かすものが来そうなベンチがおいてあるデュトの暗い通りを、素子の腕につかまってホテルの方へ帰って来ながら伸子が訴えた。

「須美子さんの、あのいい恰好のおかっぱが肩へめりこんだようになったときの様子や、あの眼を思うと、切なくなって来てしまう。何てこってしょう! ねえ。話をきいているうちに、わたし、幾度もナターシャのこと思い出してよ。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の、あのはたん杏の頬っぺたの、みもちのナターシャ。あんなにたのしく赤坊を生もうとしてはりきっていたナターシャ。須美子さんの苦しさと何てちがいでしょう。この世界には、そういうたのしさや新しい美しさがあらわれはじめた、って話したとしたら、須美子さん何と思うかしら。――ねえ、どう思うと思う?」

だまって歩いている素子の返事を求めて、伸子は自分の腕のなかにある素子の腕をゆすぶった。

「わたしは、もうちょっとで唇から出かかったのを、やめたのよ。須美子さんがナターシャの話は、もう、自分の苦しさと関係ないよそのことのような眼をしたら、わたし、いよいよ、須美子さんがせつなくなってしまう。