Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

磯崎恭介の子供の骨は、その納骨都市のずっとはずれの、ほとんど天井にすれすれの一区切りの中にしまわれた。2568という番地だった。黒衣の男は、脚立を片づけて、ちょっと黙祷すると、みんなをあとにのこして去った。磯崎恭介、須美子、伸子と素子。四人は一列に立って首をあおむけ、小さい子の骨のしまわれた高い高い場所を見上げた。恭介が、かすかな辛辣さで、

「これなら、順坊も昇天うたがいなしでいいや」

と云った。

伸子は小さい声で素子に、

「花を買ってくればよかった」

とささやいた。パリの、ヴォージラール街のホテルの七階の屋根裏部屋にいた伸子は理解したのだった。磯崎の子供も、この納骨都市のアパルトマンでは、やっぱり七階にいるようになったのだと。

伸子と素子とは、磯崎夫婦を送ってデュトの家へよった。そのタクシーでホテルまで帰って来た。帳場で、室の鍵といっしょに、一枚の紙きれをうけとった。ちらりと電話番号の書かれてあるのだけを見て、伸子と素子とは、ノートの紙切れをもったまま、室へあがって来てしまった。

パリで、雨の日に、淋しい子供の葬式につらなることが起ろうとは、伸子も素子も思っていなかった。