Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
ひな鳥のむし焼に、何とか、果物の砂糖煮と多計代はよんだ。そして、「どうだろう、お父様のおっしゃることは。大方そちらでは今頃、たくあんをかじっていることだろう、お気の毒さま、だとさ! よくも仰言れる!」その文句をかいてあったのは一枚のエハガキだった。稚い伸子に、その献立の内容はわからなかったけれども、父の方には何かそういう大した賑やかな御馳走があり、自分たちはたくあんをかじっているのだというちがいは、子供心に奇妙に鮮明に刻まれた。伸子は、いまでも、小さな娘を前において、ひな鳥のむし焼、とよみ上げたときの多計代の激昂と涙にふるえる声を思い出すことが出来た。それが思い出されるときには、きまってその頃母と小さい三人の子供らがよくたべていたあまい匂いのする藷がゆを思い出した。こってりと煮られた藷がゆは、子供があつがるのと、台所にいる人たちもそれをたべるのとで、釜からわけて水色の大きい角鉢に盛られて、チャブ台に出た。その角鉢には、破れ瓦に雀がとまっている模様がついていた。
ずっと伸子が成長してからも、そのハガキの文句のことで、父と母とが諍っていたのを覚えていた。