Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
いいかい?」
伸子は浴室へはいって、水でゆっくり顔を洗って来た。そして、口紅のスティックを出そうとしてハンド・バッグをとりあげたら、その下から、さっき帳場でうけとって来たままだった紙片があらわれた。ああ、忘れていた、と伸子は思った。そして、フランス風の曲線的な書体で、大きく書かれている鉛筆の字をよんだ。
「ムシュウ・マスナガ。電話、エトワール2957――61。十時――十六時。」
何のことだろう。マスナガ――増永――
「ああ、そうか!」
いよいよ佐々のうちのものがマルセーユにつく日がわかったのだ。伸子は、こうしていられないという気になった。紙きれをもって、素子の部屋へはいって行った。
「ちょっと。いよいよよ。さっきの紙きれね、増永さんが連絡しろ、ということだったわ」
伸子の顔の上に、開けようのわからないドアの前へ立たされた人のような表情があらわれた。