Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
二日たった。ブロンナヤ通りの貸室の女主人に返事をする約束の日になった。
「ぶこちゃん、行ってことわっといでよ」
朝の茶がすんだとき、素子が、テーブルの上を片づけている伸子に云った。
「家具の条件で?」
「――そうだろう? ぶこちゃんだって家具なんか買えないって云ってたんじゃないか」
「わたしにうまく云えるかしら――言葉の点で……」
「平気じゃないか。結局ことわるって意味さえ通じればそれでいいんだから……」
その間に素子が机のところで、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)夕刊に出す求室広告をかいた。部屋の求め主を二人の外国女と書いた。
「大体こんなところでいいだろう?」
二人の外国女などとかいたら、また経済能力を買いかぶられて、借りられもしないような条件で部屋主が手紙をよこしそうな気がした。伸子は、
「これでいいかしら……」
と、紙きれを見おろしながらためらった。
「外国女なんていうと、何だか毛皮外套でもきていそうじゃない?」
素子は、だまって二吸い三吸いタバコをふかしながら、自分の書いた文面を眺めていたが、
「いいさ、いいさ」
わきに立っている伸子の手に、草稿の紙きれを押しつけた。