Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子はそう気づいた。

「いま第一国立オペラ・舞踊劇場で『赤い罌粟』をやってますよ」

ちゃんと着かえる機会を失った素子が部屋着のまま、茶をのみながら話していた。

「あんなのは、どうなんです? 正統的なバレーとは云えないんですか」

「レーニングラードでは、このシーズン、『眠り姫』をやっているんですが、僕はやっぱり立派だと思いました――勿論『赤い罌粟』なんかも観たくてこっちへ来たんですが」

宮野というひとは、

「僕は主として古典的なバレーを題目にしているんです。何と云ってもそれが基礎ですから」

と云った。

その頃、ソヴェトでは、イタリー式のバレーの技法について疑問がもたれていた。極度にきびしい訓練やそういう訓練を経なければ身につかない爪立ちその他の方法は、特別な職業舞踊家のもので、大衆的な舞踊は、もっと自然であってよいという議論があった。伸子がこれまでみた労働者クラブの舞踊は、集団舞踊であっても、いわゆるバレーではなかった。伸子は、すこし話題が面白くなりかかったという顔つきで、

「日本でも、バレー御専門だったんですか?」

ときいた。

「そうでもないんです。――折角こっちにいるんだからと思いましてね。