Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そこで馬首をめぐらして、広場の遠いむこう側を、すこし速めた※(「足へん+鉋のつくり」、第3水準1-92-34)足で、再び入口に向ったときだった。それが合図のように、赤軍の行進が猟人広場の方の門から広場へ流れこんで来た。見る見る広場が埋められはじめた。すると、一台、大型オープンの自動車が伸子たちの観覧席の前をすべるようにすぎて、クレムリンの河岸に近い門の方へ去った。
「自動車が行きましたね。じゃ、スターリンが来たんです」
秋山宇一が確信ありげにそう云って、伸子と一緒に仕切り綱の上へのり出したとき、クレムリンのスパースカヤ門の時計台からインターナショナルの一節がうちだされた。それから一つ、二つ、と時をうって十時を告げ終ったとたん、赤い広場からそう遠くないところで数発の号砲がとどろいた。
メーデイの儀式と行進とはこうして、うすら寒い五月の赤い広場ではじまった。真横にあたる伸子たちの観覧席からは、骨を折っても赤い演壇の上の光景は見わけられなかった。広場の四隅につけられている拡声機から、力のこもった、しかし誇張した抑揚のちっともない、語尾の明晰なメーデイの挨拶の言葉が流れて来た。