Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「会ってみましょうか」
伸子がいきなり単純に云いだした。どんなひとだか会って見ようという心ではなく、もっと対手に信頼を抱いている素朴な感情から伸子はゴーリキイに会ってみたい心持になった。云ってみれば会いたくなるのがほんとなほど伸子はゴーリキイの作品の世界にふれていたし、ゴーリキイ展は伸子に人及び芸術家としてのゴーリキイに共感をもたせて伸子自身について考えさせたのだった。
「――どう?」
「ひとつ都合をきいて見ようか」
明るく眼を瞠ったような表情を小麦肌色の顔に浮べて、素子ものりだした。
「われわれはいつがいいだろう」
「だって――。あっちは忙しい人だもの」
「むこうの都合をきいてからこっちをきめるとするか」
「そりゃそうだと思うわ」
素子が小さい紙にノートの下書きをかいた。二人の日本の婦人作家が、あなたに会うことを希望している。短い時間がさいて貰えるでしょうか。御返事を期待します。そしてホテルの自分たちの室番号と二人の名をかいた。
「ところで、宛名、何て書いたもんだろう――いきなりマクシム・ゴーリキイへ、かい?」
なんとなしそれも落付かなかった。
「グラジュダニン(市民)てこともないわねえ」