Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
木煉瓦のしきつめられたそのあたりの通りは広くて、いつも静かで、ヨーロッパの貴族屋敷らしい鉄柵のめぐらされた庭の六月の青葉の茂みが歩道の上まで深く枝をのばしている。冬宮の周辺のそのあたりには、まるで人気のない建物があった。同じ広い通りの右側に、鉄柵のめぐらされた大邸宅が一つあった。槍形に尖った先が金色につらなっている鉄柵ごしに、窓々のかたく閉された館が見え、ぐるりに繁っている雑草とその雑草に埋もれて大きい車寄せの石段が見えた。規則正しい輪廓を夏の外光に照りつけられている石造の人気ない大きなその家は、物音のすくないその通りにひとしお物音を消して立っていて、伸子と素子とがその長い鉄柵に沿った歩道を行くと、とかげが雑草の根もとを走ってかくれた。
寂しいその通りは、三色菫の植えこまれた花壇が遠くに見える公園へ向ってひらいた。その左角の鉄柵に、レーニングラード‐ヴ・オ・ク・ス(対外文化連絡協会)の白く塗られた札がかかっていた。瀟洒な鉄門の左右からおおいかぶさるように青葉が繁っていて、高い夏草の間に小砂利道がひと筋とおっている。その門内にはいって伸子たちはおどろいた。