Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
はげしい運動で薄く赧らんだ伸子の顔の上に恐怖があった。エレーナは、ほんとに発作のように立ち上って、教えてあげましょう、マズルカというものはこういう風におどるんです、と伸子の手を、いや応なくしっかりつかまえて踊りだした。そのときエレーナは伸子に、自分の若かったときの話をしていたのだった。オデッサで、大きい実業家だったエレーナの父親は、一人娘であったエレーナのために時々すばらしい宴会や舞踏会を開いた。昔、と云うのは革命前のことであるけれど、オデッサは、ロシアの小パリで、ペテルブルグよりも早いくらいにパリの流行が入った。エレーナはフランス製の夜会靴をはき、音楽と歓喜のなかで夜が明けるまでマズルカをおどった。話しているうちにエレーナの瞳のなかに焔がもえたった。あなたマズルカを知っていますか? いいえ。ああ。――いまはマズルカさえちゃんと踊る人がなくなってしまった。エレーナはひとりごとのように呟いて公園の森の方を見ていたが、不意にカン※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ス椅子から立ち上り、教えてあげましょう。マズルカというものは、と伸子の手をつかまえて立ち上らせたのだった。