Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
こっちの見物には女形なんてずいぶんグロテスクにうつるわけなんだろうのに、反撥がないんだね。そこへ行くと映画にはお目こぼしというところがなくってね」
「そうでしょう? お目こぼしのないのが芸術の本来だって気がするんです。ふっと妙なこころもちがするっていうのもそこなんです。舞台でいっぱいに演ってますね、そんなとき、ふいと、こんなに一生懸命にやっている芸にどこまで価値があるんだって気がするんです」
吉之助は、青年らしい語気に我からはにかむように、薄く顔をあからめた。
「たしかに歌舞伎は日本独特の演劇にはちがいないんですけれどね――忠臣蔵にしろ、自分でやりながらこの感情がきょうの私たちの感情じゃないって気がつよくするんです」
「そうだわ、わたしが鷺娘の幽艷さを説明しようとして、妙な気もちがしたのもそういうとこだわ」
伸子が賛成した。
「どんなに力こぶを入れて見たって、鷺娘には昔の日本のシムボリズムとファンタジーがあるきりなんですもの……しかもああいう踊りの幻想は、古風なつらあかりの灯の下でだけ生きていたんだわ」
「――桑原、桑原」
中館公一郎がふざけて濃い眉をつりあげながら首をちぢめた。