Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
小さい焔がゆれているような顔をしてトラヴィアタの中にあるメロディーを口笛で吹き、そうかと思うと、ブジョンヌイの歌を鼻うたでうたって、部屋じゅう歩きまわったあげく膝をまげた脚をピンピン左右かわりばんこに蹴出すコーカサス踊の真似などをした。
「なぜ、お前さんはそう騒々しいのかい」
と、素子があきれた顔でとがめた。
「おかしな小僧だ!」
ピオニェールはすかさず、
「僕、いつだって陽気なんだ。ラーゲリ(野営地)で有名なんです」
と口答えして笑ったが、敏感に限度を察して、それきりさわぐのをやめた。そしてこんどは当てっこ遊びをはじめた。
「この机の引出しに何が入ってるか、僕あててみましょうか」
「あたるものか」
「いいや僕あててみせます――先ず――何だろう」
緑色のラシャの張ってあるデスクを上から撫でて、金色の髪がキラキラ光る五分刈の頭をかしげ、
「まず、紙類が入っている!」
「お前さんはずるいよ。紙類の入っていない机の引出しなんてあるものか」
「それから、たしかに鉛筆も入っている。ナイフ――あるかな?」
ピオニェールは、挑むような、からかうような眼つきをして素子と伸子を、順ぐりに横目で見た。