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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

、からまり合ってよちよちするばかりだった。二つの体が不器用にぶつかってよろけるたびに、車椅子は正直その輪の上でころがって、あとじさりする。伸子は二度三度やってみて、こらえられない痛さから癇をたてた。

「やめましょう」

泣き声をだした。

「わたしたち、どっちの力もたりないんだもの」

翌朝助手のボリスが回診に来て、入浴の工合をきいたとき、伸子は、

「看護婦は来てくれましたけれど、彼女は姙娠しているんです。彼女のためにすけてがいるぐらいなのに、どうして、動けない私が運べるでしょう」

そういう体の看護婦に力仕事を命じたことは不当であるという不満を、はっきり声にあらわして云った。伸子のベッドに向って腰かけているボリスのよこに、当の看護婦が伸子のカルテをもって立っていた。またふたたび、伸子にとってもその看護婦にとっても不便なくりかえしが起らないようにと、伸子はその看護婦がそこにいるのを知って云ったのだった。

背が高くて、薄色の髪と瞳をもっているボリスは黙って伸子の訴えをきいていたが、訴えそのものには答えず、診察を終ると平静な口調で、

「まだ動くのには早すぎたかもしれないですね。