Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子がこわく思うような粗剛なこわらしさは、藤原威夫のどこにもなく、この少佐は全体がはっきりしない色合で静かに乾いた感じだった。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)生活についてのあれこれ雑談の末、日本の天皇というものについてあなたはどう考えておられますか、と訊かれたとき、伸子はあんまりその質問が思いがけなかったからベッドの上で笑い出した。どうって。――あなたがたのような軍人さんは別かもしれないけれど、わたしたち普通の人間がそんなに天皇のことなんか考えているものなのかしら。――伸子には、そうとしか感じられなかった。すると藤原威夫は自分も薄く笑ってそりゃそうでもありましょうがね。と伸子の耳について消えない穏やかな執拗さで云った。御覧のとおりロシアではツァーを廃してこういうソヴェトの世の中にしているんだし、フランス革命のときだって、ルイ十六世をギロチンにかけたんですから、大体社会主義思想そのものに、主権の問題がふくまれているんでしょう。あなたは、大分ソヴェトのやりかたに共鳴しておられるらしいから、ひとつその点をおききして見たいんです。――伸子はみぞおちのあたりが妙な心持になった。